秋葉原にある自作キーボード専門店「遊舎工房」さんに行って、キーボードを作ってきました。お店の雰囲気としては、色々なキーボードが飾ってある電子部品のお店みたいな感じでした。
keeb.ioのQuefrencyというPCB(Printed circuit board:プリント基板) で作りました。
モチベーション
普段キーボードはHHKBを使っているのですが、先日コーヒーをこぼしてしまって一時動かなくなった時に、完成品のキーボードだと一部壊れたら丸ごと買い換えないといけないのが辛いな。。自作PCみたいに直せないのかな。。
と思い、沼にはまるきっかけができてしまい、自分で修理できたり、そもそも部分的に直せる作りになったほうが嬉しいなぁと感じて、作るに至りました。実際には1日くらい乾かしたら動くようになったし、そんなに簡単に壊れるものではないような気もするけど。
あと、自作PCが好きなので、自作キーボードも面白いかも、やってみたい!という気持ちが強かったというのもあります。
事前に準備したもの
事前に準備したものは、キースイッチとキーキャップの2つです。実際この2つだけあれば大丈夫でした。どちらも店舗で購入できますが、ネット注文しました。
- キースイッチ
- Cherry MX 黒軸70個
- 自作キーボードではHHKBで使われている静電容量方式のキースイッチは入手できないので、それに近い打鍵感のスイッチにしたいと思いこれにしました。
- HHKBよりはスコスコした感じが少なく、少し重めな感じはしますが、気持ちよく使えています。
- 事前購入理由:どこでどのキースイッチを買ってもそこそこお値段がするので、中国のメーカーのものじゃない方が良さそうというなんとなくな印象。また、黒軸は店舗では売っていなかった。
- 購入元:ジェイダブルシステム
- 費用:5,821円
- Cherry MX 黒軸70個
- キーキャップ
- Majestouch シリーズ専用交換用キーキャップセット 英語104キー
- Majestouchは、Cherry MX軸を採用しているため自作キーボードに採用される互換キースイッチでそのまま使える
- 事前購入理由:店舗ではちゃんとしたのが売っているけどお高め。そもそもキーボードちゃんと動くの作れるのか分からなかったので、ひとまず安いのを買った。
- 購入元:Amazon
- 費用:2,736円
- Majestouch シリーズ専用交換用キーキャップセット 英語104キー
どちらも注文した翌日に届きました。
作るキーボードキットによっては、事前に用意しておくものが若干異なるようなので、作る前に調べておくと良いと思います。
PCB選び
最初はHHKBと使用感が異なりすぎると辛いだろうと思い
- 60% or 65%キーボード
- RS配列
- 5行
という条件を決めて、遊舎工房さんWebサイトにのっているキーボードから選択することにしました。(最初から全部自力で作るのは厳しそうだったので、困った時に教えてもらって自作キーボードの知見が貯められるようにしたいと思い、作業場で作る前提で店舗で買えるものをWebサイトから選択。)
すると、ginghamというキーボード?が見つかり、事前にビルドガイドを読んでから、店舗に行きました。
キーボード作り
PCB購入
最初はginghamでキーボードを作る予定でお店に行ったけど、PCB選びで挙げた条件にマッチする他の自作キーボードキット(Quefrency)があったので、その場でちょっと調べてみると
- PCB、ケース単体でネット購入化(壊れた時直しやすそう)
- 割れている!
のが、良さそうだなーと思い、予定変更してこちらでキーボード作りを始めました。
お店の人に聞いたところ、ginghamもQuefrencyもどちらも作るのは簡単みたいです。
ちなみに、併設されている作業場の利用料は、平日ということもあり2時間毎に500円でした。破格の料金設定。カラオケより安い?
組み立て
キットの袋の中にビルドガイドの説明があるのかなー、と思っていたら入っていなかったので、作業場でスマホでググって探しました。
作業の手順としては
- ダイオード設置(はんだ付け)
- キーが71のやつなので、71つ×2箇所=142箇所
- Pro micro用コンスルー設置(はんだ付け)
- 左右合わせて48箇所
- キースイッチ(はんだ付け)
- ダイオードと同様に142箇所
- Pro micro設置(はんだ付け)
- 左右合わせて48箇所
- キーキャップ取り付け
- フレームの組み立て
- ファームウェアの書き込み
とシンプルで、初心者でも時間はかかるけど難しいことはなく、組み立てたら一発で動きました。
ダイオードの向きが逆になっているところが後から分かると、最初の方からやり直しになり、はんだを取り除いていくはめになるので、一度取り付けた後自分で確認した後、店員さんにも軽く見てもらって向きが間違えていないか確認してもらいました。確認をお願いした際も嫌な顔せずに見てくれて、優しい店員さんでよかった。
作業時間としては、8時間くらいで動くところまでできました。おそらく、自作キーボード作りに慣れていたり、ハンダ付けがうまい人は3,4時間でできるくらいの作業だと思う。。
Pro Micro換装
完成したーと思って色々触っているうちに、Pro Micro(キーボードのコントローラ)に付いているmicro USBのアダプタがもげてしまって、片側だけコンスルーとキースイッチ、Pro microを取り外して、再度取り付け直すことに。
はんだでコンスルーに取り付けたPro microがうまく外れなかったので、店員さんに途中まで外す作業をやってもらって、やり方を知ることができました。ニッパーでバキバキ割っていたw
ソフトウェアと違って直しが発生すると、換装するところまで戻ってやり直さないといけないハードウェアの辛さを実感しました。。
最終的な費用と時間
費用としては、
- 自作キーボードキット
- 11,664円
- キースイッチ
- 5,821円
- キーキャップ
- 2,736円
- Pro micro 換装
- 3,000円くらい?
- 作業場所利用料
- 2,000円
計25,221円でできました。
作業時間としては
- 組み立て
- 8時間
- Pro micro換装
- 4時間
- 計12時間
という内訳になりました。
感想・学び
費用的な面では安くはないですが、結構コスパ良く、様々な遊び方ができるのが魅力かなと感じました。
- キーボード作る段階
- 作業場に8時間滞在させてもらって、まったりコーヒーのみながら作業して2,000円とは破格
- 長い時間電子工作で遊んで学べる
- 完成した後
- 完成品のキーボードとは違い、ファームウェア書き換えられるので、OS毎の設定が不要で便利に使える
- ファーム沼にハマることもできる
- ケーブルにこだわったりキャップを交換する楽しみもある
- 使うのに飽きた後
- キーボードを分解して部品を流用することで、新しい楽しみがあるキーボードを作ることができる。
電子回路詳しくない初心者でも難しくないようなキーボードもあり、作り始めて困ったことがあっても店員さん皆親切なので聞けば色々教えてもらえるし、始めやすさ・サポート的な面も充実している。
学びとしては、特にPro Microのmicro USBは壊れやすいことが分かったし、また直すことがあった時のためにメンテナンス方法を知っておくのは結構重要だなと思いました。作るより直す方が時間がかかって大変だし、費用もかかる。 後から調べたら、microUSBはもげやすいようなのでぐぐって出てくる対策はきちんとやっておきべきだと見に染みました。。